佐々木 美季さん 33歳
Profile
つくばみらい市出身。伊奈高等学校卒業後、筑波大学に進学、アミューズメント系企業や広告代理店、児童福祉施設・若者自立支援機関を経て、現在はNPO法人キドックス代表理事を務める。
ーQ.今のご職業について教えてください。
ーA.NPO法人キドックスの代表理事をしています。
私たちは現在、茨城県土浦市でキドックスファームという施設を運営し、不登校や引きこもりなどの悩みを抱える青少年の支援を行っています。
ここでは、若者達の社会参加活動の一環として、飼い主に捨てられた犬の心と身体のケアと家庭で暮らすためのトレーニング、里親さんを探す譲渡活動などを行っております。
殺処分されてしまうたくさんの捨て犬たち、成育過程で様々な悩みを抱えて次の一歩が踏み出せない青少年たち、両者にとって再出発となる場を創るべく日々活動しています。
ーQ.なぜ今の場所でそのお仕事をされているのですか?経緯と理由を教えてください。
ーA.私は小学生の頃に、たくさんの犬が殺処分されているということを知って衝撃を受けました。
幼い頃から犬を飼っていたのですが、高校生の時に愛犬を病気で亡くし、「私は良い飼い主だったのだろうか?」と後悔する日々を過ごしました。犬たちのために何か出来る事はないか?とずっと考えてきました。一方で、中学校の友人が非行に走る姿を見て問題意識を持ちました。それがきっかけです。
大学時代のボランティアで、非行や引きこもりなど様々な悩みを抱える青少年の支援活動にも携わりました。
ある時、アメリカで行われている「少年院の受刑者が捨て犬を救う更生プログラム」を知り、「悩みを抱える若者と、捨て犬の両者を救うことができる!」と夢を抱いたんです。2013年キドックスのメンバーと共に、プログラムが行われているアメリカの少年院を訪問しました。実際にプログラムを開始するにあたって主軸となる考え、支援者の立ち位置、教育計画の組み方などを学ばせていただき、現在の活動に至りました。
ーQ.お仕事のいいところ、自慢できるところを教えてください。
ーA.とにかく犬と触れ合える(笑)。
毎日が犬まみれの生活ですが、とっても癒されます。
ーQ.お仕事やプライベートのことで、ターニングポイントになった出来事や転機など…エピソードがあれば教えてください。
ーA.仕事に関しては、今の仲間との出会いです。
今の活動を立ち上げる前から、何度も議論し合い、話し合い、たくさん向き合ってくれました。そのおかげで、今の活動へと方向性を変えて、アメリカに行き、今に至ります。仲間との出会いがなかったら、私はNPOをやっていなかったと思います。
プライベートに関しては、大きな転機はやはり結婚です。私はとにかく夫大好きなタイプなので、今の夫がいないといろんな意味で生きていけません(笑)。
ーQ.お仕事とプライベートの両立で苦しんだことや日頃工夫していることはありますか?
ーA.結婚する前は自分の都合で好きな時に仕事を入れていたりしていたのですが、今は家族と一緒に過ごす時間を作るために、夫の仕事の時間を確認し、それに合わせて自分も仕事を入れたり断ったり調整しています。
また、私の場合は仕事と趣味の一環で保護犬を自宅で預かることも多いので、私の希望や考えは伝えて、夫としても不満に思うことは言ってもらい、話し合いながらお互いに折り合いをつけられるように調整しています。
ーQ.どんな時に幸せを感じますか?
ーA.プライベートではキャンプが趣味なので、焚き火を見てつまみを火であぶりながら、お酒を飲む時です。
仕事では、犬や若者の成長、変化を肌で感じた時で、いつも感動して泣いてしまいます。
ーQ.今から行くとしたら、茨城県内のどこへ遊びに行きたいですか?
ーA.最近、筑波山がテレビで特集されているのを見て、登山コースが最高との事だったので、行ってみたいなと思っています。
ーQ.茨城オリジナルの良さはどこだと思いますか?
ーA.都会まで近いのに、田舎で人も少ないところ。
野菜も畜産も盛んでお肉もお野菜も新鮮で美味しいし、買い物するところも困らない。少し遠出すれば遊ぶところもたくさんある。日常の生活が暮らしやすく、キャンプも行きやすいところです。
ーQ.10年後どこで何をしていたいですか?
ーA.プライベートでは、子どもを産んでファミリーキャンプしたいです。
仕事では、今のNPOの活動を軌道に乗せたいです。そして、たくさんの卒業生と卒業ワンコの笑顔を見たいです。
《 茨女レポーターVOICE 》
「ひきこもりは日本特有の問題で、殺処分されてしまう捨て犬の問題、この2つを合わせたプログラムはキドックスが日本初なので、継続していきたい。カウンセリングでは相手の生き方に共感して、導くのではなく、その方と犬が持っている可能性を引き出す事を大切にしています。」と話す上山さんの澄んだ瞳は、日本の未来を見つめていた。そんな彼女の活動を心から応援したい。(茨女レポーター:杉山 ちひろ)