江波戸 幹子さん 32歳
Profile
常陸大宮市出身。常磐大学高等学校を卒業後、立教大学在学中に雑誌『JJ』編集部にてアルバイトを始める。卒業後、『Beauty Recipe』『Ray』『Como』など、多数の女性誌の編集に携わる。現在、2児の母でありながら育児誌『Baby-mo』編集部に勤務。企画から構成・取材など編集全般を務める。
ーQ.雑誌編集者として活動することになった経緯を教えてください。
ーA.大学生の時『JJ』を読んでいたのですが、たまたまサークルの先輩が『JJ』で働いていることを知り、華やかなマスコミ業界への憧れが強くなりました。
そこから、『JJ』編集部で学生スタッフとして働き始めたのがきっかけです。
その後の就職も雑誌編集の道を選びました。大学では理系だったのですが、“好きなことを仕事にしたい”という気持ちが強かったので、学生スタッフとしてお世話になった『JJ』に今度はフリーとして「残る」ことを決めました。
ーQ.育児と仕事の両立は大変だと思うのですが、日頃工夫していることはありますか?
ーA.余裕を生み出すことを大切にしています。
そのためにはとにかく先のスケジュールを見て、できることから前倒しでやることを心がけています。
育児も仕事も完璧を目指すのは無理だけれど、見通しを持てば余裕が生まれますからね。また、今やれることをどれだけ効率的にできるかというのも常に考えていますね。
ーQ.お子さんが生まれてから変化したことはありますか?
ーA.自分主体から子ども主体に変わったことですかね。
最初は思い通りにいかないことがあまりにも多く、イライラする日々が続いたのですが、例えば子どもが部屋を片付けないことを「しょうがない」で終わらせるのではなく、もしかしたら片づけにくい部屋だからでは?と、考え方を変えると私も子どももラクになることに気がつきました。
また、すべてを完璧にこなすのは無理なので、多少のあきらめも大切。やるべきこととやらなくていいことをはっきりさせるなどして、気持ちに余裕を持つことが大切なのかもしれませんね。
ーQ.様々な雑誌の編集を経験されてきたとのことですが、Webが主流の今、江波戸さんにとって雑誌の必要性とはどのようなものだと思いますか?
ーA.エンターテイメントを提供するというのは雑誌の役割のひとつだと思います。
私の場合、疲れた時に癒しを求めて読みたくなる、ストレス解消法のひとつでもあったりしますね。最先端の情報を発信する部分が大きいと思いますが、その人の暮らしの質を高めるとか、心に余裕を与えるとか、心をサポートする一面もあると思います。
今、時代はWebにシフトしつつありますよね。隙間時間に情報を得たいという効率的な考え方の人も多いかもしれませんが、じっくりエンターテイメントに浸れるという点では紙である必要性があると思います。
Webは「今知りたい」をすぐ解決してくれるツールですけど、紙は「残せる」というところもいいんですよね。例えば料理レシピとか、時流が反映されたファッション誌とか。
特にファッション誌などは、1年経つと流行が大きく変わっているので、当時の雑誌を見ていると面白みを感じません?(笑)。
そういう意味でも、雑誌にはいろんな楽しみ方があると思います。
ーQ.茨城に帰りたい時などはありませんか?また、10年後どこで何をしていたいですか?
ーA.それはもう、あります。
茨城が恋しくなって帰りたくなりますが、仕事もありますし、すぐには帰れませんが…(笑)。
都会はめまぐるしいけど、茨城はのんびりと余裕があるイメージ。実際、子どもたちを連れて帰ると、いつもよりのびのびと遊んでいるような気がします。子育てには本当に良い環境ですよね。
10年後はそんな茨城のように、余裕のある形で雑誌編集に携わっていたいです。
《 茨女レポーターVOICE 》
仕事に育児に忙しい江波戸さんはどうやって自由な時間を生み出しているのだろう?その答えが、とにかく見通しを立てる。やるべきこと、やらなくていいことをはっきりする。常に効率を考える。小さな心がけの積み重ねが、お子さんと過ごす時間を生み出しているということを学びました。またお子さんができてから育児誌に移ったという江波戸さん。編集者の気づきが「残せる」媒体を通して伝えられる、素敵な職業であると改めて感じました。 (茨女レポーター:檜山加奈)