佐藤 侑奈さん 24歳
Profile
福島県大玉村出身。
福島県立郡山北工業高等学校卒業後、成田航空ビジネス専門学校進学。成田空港にて4年間グランドハンドリングとして地上支援業務に携わる。その後、鹿嶋市地域おこし協力隊に入隊を機に鹿嶋市へ移住。鹿嶋市地域おこし協力隊として鹿嶋市の魅力や情報を市内外に発信している。
少子高齢化、人口減少など日本には様々な課題があります。そんな中、地域創生を目的に鹿嶋市を発展させるため移住を決意し活動中の佐藤さん。地域おこし協力隊のお仕事やこれからの活動への想いを語って頂きました。
「参加者」としてのもどかしい気持ち
高校1年生の時、東日本大震災で被災したことがきっかけでボランティアや地域創生の活動に興味を持ったと佐藤さんは言います。「私が通っていた高校の体育館が避難所となり、原発から近い地域の方も一緒に避難生活を送っていました。
私も被災者の一人でしたが、『もっと何かできたのではないか』『被災地に向けて出来る事をしよう!』と決意しボランティア活動を始めました。その後、被災地支援や子どもたち向けの職業体験など、積極的にボランティア活動をしていました。
でも「参加者」という意識が強く、どこかもどかしさを感じていました。そんな中、地域おこし協力隊サミットというイベントに参加した際に、地域にあるのは解決すべき『課題』ではなく『魅力』という言葉に出会い深く共感し、『コレが自分の求めていたかたちかもしれない!』と地域おこし協力隊を目指すことを決意しました。」
鹿嶋の海と『よがっぺ!』の一言が後押しだった
「どの地域の協力隊になろうか迷いながら募集を見ていました。その時、鹿嶋市より地域おこし協力隊の募集が出ており、一度は海がある街に住みたいと思っていたので応募しました。
でも鹿嶋市のことをまったく知らなかったので、鹿嶋の街を案内して欲しいと市役所にお願いしたところ、快く受け入れて頂きました。当日は、案内して頂いたご年配の方の訛りに癒されました(笑)。
そして鹿嶋の海を見て『居心地いい。なんか、いいじゃん。』と感じ、鹿嶋の良さに感動しました。」居住の後押しをしてくれたのは、鹿嶋市の案内をしてくれた方の言葉だったと佐藤さんは言います。
「『お付き合いしている人が就職を機に鹿嶋市に住んでいて、もし協力隊が決まったら、同棲も考えているのですが…』とドキドキしながら聞くと、『よがっぺ!』と即答で(笑)。鹿嶋に移住することを決意しました。」
自分の得意、好きな分野で仕事をしてみる
望んでいた鹿嶋市での地域おこし協力隊に就任したものの、仕事を始めて数か月、何をしたらいいのか迷い悩んでいた時期があったそう。
「何をするのが鹿嶋市のためになるのだろう、何が地域おこし協力隊のやるべきことなんだろう。考えれば考えるほど、迷いが出てきました。そんな時、同棲中の彼氏が『侑奈のやりたいことをやっていいんだよ』と声をかけてくれました。
この言葉に心が救われて、考えていたことが吹っ切れ、それからは『自分の得意・好きな分野で仕事をしてみよう』と考えるようになりました。」
市民の方からの生の声が届く
鹿嶋市の魅力を自分の描くイラストや絵で表現している佐藤さん。
現在は鹿嶋市内向けの広報誌で「目指せ!カシマスター!」というコーナーを担当しています。自分が作ったコーナーを見てくれた市民の方から、街で声をかけてもらえると佐藤さんは言います。「鹿嶋市に住んでいると当たり前になってしまう魅力を掘り起こし、市民の皆さんへ伝える一つのツールになればと思って毎月書いています。
広報誌を見た市民の方から『広報誌の人よね!おもしろい!』『あなたに会ってみたかったの!』と声をかけられることがあります。見てくれる人がいることにいつもやりがいを感じています。」
自分の好きを磨いていくことが大切
佐藤さんに今後の目標をお聞きしました。
「地域おこし協力隊は、自分自身が地域の一部になり、自分の得意や好きを武器にできる仕事です。
私は10年後も鹿嶋市に住みながら働き、鹿嶋で子育てをすることが目標です。そのために地域おこし協力隊を卒業しても『住み続けたい街』を目指し活動をしていきたいと考えています。」
(茨女レポーター:石川 蘭)