藤田恵さん 33歳
Profile
水戸市出身。食いしん坊ディレクター。茨城県立水戸第二高等学校、早稲田大学教育学部卒業後、大手企業への戦略PRやインフルエンサーマーケティングの企画営業に徒事。地域ブランディングやプロモーション企画のプロデューサーを経て、2019年春にフリーランスとして独立。「茨城」「地域」「食」等をテーマに、東京と茨城での2拠点生活をしながら活動中。
諦めたくなかった夢地元で新たな職業を作る
藤田さんは、東京と茨城の2拠点で、食のPR、企画、イベント等のお仕事をされています。 「大学卒業後、東京でブランディングの仕事をしていました。九州の自治体の仕事を担当していたときに、そろそろ自分の地元にも貢献したいというもどかしさを感じました。 また、仕事に没頭しすぎて、大好きな故郷に帰る時間が取れていませんでした。
そこで、食が豊富で素晴らしい作り手の方が多い茨城県の魅力を発信するために、思い切って独立しました。茨城での活動をスタートするために、まずは食いしん坊ディレクターという肩書を作ったのです。」と笑顔で話してくれました。
茨城の食の良さを知ってほしいありのままの姿を伝える
「なんで魅力度ランキングが最下位なんだろう…もっとたくさん茨城県の良いところがあるのに…。」と話す藤田さん。「ずっともどかしい思いだったからこそ、自分の好きな食を自分の好きな形で紹介できたらと考えています。『そんなところがあったんだ、知らなかった!』と思ってもらえることが今の一番の喜びですね。」と話されていました。
お仕事で大切にしていることを伺うと、「茨城県の作り手の皆さんは、素晴らしいものを作っているけど、その情報がきちんと伝わっていないことが多いと思うんです。でも、情報を欲張らずに一つ一つの出会いを大切にして、その人を深く知って理解した上で、等身大の情報を発信する事を心がけています。」
生産者と消費者を繋げるオンラインの可能性
つねに、マイナスをプラスに変えていく藤田さん。コロナ禍でも新しいことに挑戦しているそうです。「5月に、笠間の陶芸家Keicondoさんと、画面越しに陶芸をレクチャーする、オンライン陶芸教室を企画しました。作った器は、素焼き・本焼きのために、後日陶芸家のアトリエまで直接持参していただく仕組みです。
参加された方が実際に笠間のアトリエにいらっしゃってくださったとき、陶芸家さんとの交流や笠間の観光を楽しんでくれて、今後の企画に可能性を感じました。オンラインだけで終わらずに、新たな繋がりが作れたことが一番嬉しかったです。茨城県はメロンの生産量が日本一なのですが、外食自粛でメロンの市場価格が下がったことに加え、例年はメロン狩りで盛況な時期に、県外のお客様を積極的に誘致できない状況でした。
そんな中、私のオンラインでの活動を見ていた県庁の方から『オンラインでメロン狩りってどうだろうか?』と相談をいただきました。すぐに鉾田市の農家さんのご協力を得て、6月にZoomを使って、日本初のオンラインメロン狩りを開催しました。参加したご家族によると、普段見ることができないメロン畑の様子をご自宅から見られ、農家さんの人柄も伝わり、お子さんも喜んでいたそうです。質問もたくさん寄せられ、メロンが届いた様子も写真や動画で送られてきました。
今まで、繋がりのなかった生産者と消費者がオンラインを通し互いに繋がることで、新たな出会いと食育の機会を得て喜んでいただけ、私自身も幸せを感じる企画になりました。7月には第二弾として、小美玉市の農家さんで、オンラインマンゴー狩りを開催し、売り上げの一部を熊本・鹿児島大雨災害の被災農家さんへ寄付しました。」
周囲の応援がスタート地点次は自分が還元したい
最後に、これからの目標をお聞きしました。「高校生の頃、イベントを企画したときに、周囲の地域の大人の方々からのサポートや応援がありました。
それが、『将来は好きなことを地元でしたい』と思えたスタート地点でした。自分がそうしてもらえたことで、今という未来が存在しているので、今度は自分が下の世代に発信して、還元していきたいです。」「好きなことをしたいと思っている下の世代の方々の背中を押すような活動をしていき、作り手から料理人まで食を発信していきたい!!」と、まっすぐに話される姿が輝いている藤田さんでした。
(茨女レポーター:羽石 夕奈)