渡邉 明加さん 28歳
Profile
神奈川県横浜市出身。私立横浜女学院高等学校卒業。立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科卒業後、1年間のフリーター生活を経て教員として特別支援学校に就職。25歳のとき、結婚を機に茨城県へ。
現在、夫の経営する広告デザイン会社「株式会社ラッズ」の取締役に就任。いくつかある事業のひとつとして2018年オープンした「ゲストハウス 編湊」で、人との関わりを重ねるうちにまた福祉や教育の現場に戻りたい気持ちが高まり、現在そのゲストハウスをうまく活用できないかと模索中。
ーQ.お仕事について教えてください。
ーA.夫が代表取締役を務める株式会社ラッズという広告デザインの会社にて、取締役という立場で経理や労務などをしています。
また、弊社の事業のひとつとして、今年の4月末にひたちなか市に「ゲストハウス 編湊」をオープンさせました。縁があって会社とは別に、石岡市のまちかど情報センターでも、週に1〜2 回ではありますが働かせていただいています。
ーQ.このお仕事に就かれた経緯と動機について教えてください。
ーA.きっかけは結婚したことで、夫の会社の手伝いをするため今の仕事に就きました。
結婚する前は地元の横浜で、障害のある児童・生徒が通う特別支援学校の教員をしていました。結婚して夫の地元茨城に来て、そこからしばらく専業主婦をしていましたが、現在は夫の会社の取締役をしています。
「ゲストハウス 編湊」は空き家をリノベーション(主にDIYで改修)した宿泊やイベントのできる施設で、「魅力度ランキング最下位の茨城県で魅力あるゲストハウスをつくりたい」ということでクラウドファンディングで資金を募り、今年の4月にひたちなか市でオープンし、その運営にも携わっています。
ーQ.職場の自慢できるところを教えてください。
ーA.従業員の「やりたい」を全力で応援するところです。
やりたいことだけに限らず日々の思考や行動についても「自分で考えてきちんとした理由を持ってするのであれば反対はしないよ」というスタンスな気がします。「ゲストハウス 編湊」では宿泊客とそこに集まった人や地元の方、そして私たちがつながりをもち、様々な化学反応が起こり、いつも笑い声が絶えない空間を目指しています。
そうした中でお客さまに喜ばれたり、依頼された仕事で結果が出ると、更に嬉しいです。
ーQ.茨城県に来てみて、どうでしたか?
ーA.それまでは茨城に来たことはなくて、夫と付き合い始めてから初めて常磐線に乗り、初土浦駅という感じでした。 「めちゃくちゃ田舎だよ」って言われていた割には、実家のある横浜からも日帰りできる距離で、電車の乗り換えもあまりないので、
結婚すると決まって茨城に移り住むことになっても、あんまり抵抗はなかったです。
ーQ.茨城県民特有の地域性や市民性は感じますか?
ーA.特有なのかはわかりませんが…茨城の人に「よくこんなところ来たね」っていうニュアンスで言われることが多いんです。
茨城の方は外部の人(観光客含む)に対して、自分の地域の魅力を伝えるのが苦手というか、そもそも伝えようと思っていないのか、謙虚なのか。でも、自分の住んでいるところの魅力を伝えるのは難しいかもしれませんね。
そして、ゲストハウスをオープンさせたことに伴って、ひたちなか市の方々と関わることが増えました。近所の方が差し入れをしてくださったり、手伝いをしてくれたり。距離感が程よく、すごく心地よいです。
ーQ.ターニングポイントになった出来事や転機はありますか?
ーA.結婚したことです。茨城県に来てから生活がガラッと変わり、夫の会社を手伝い、ゲストハウスを運営することになったので転機ですね。
最近は自分の経験を活かして福祉や教育の分野で子どもたちと関わっていきたいという想いが強くなり、自分でも主体的に行動しようと考えていました。なので、茨女さんに取り上げていただいたことが今後、何かの転機になるかも…?!と思っています。
ーQ.失敗をしてしまったり、どうしても落ち込んでしまう時のストレス解消法は何かありますか?
ーA.どちらかというと、ストレス溜めがちな人間です(笑) 。
自分でも工夫して食事から改善したり、好きなこと、やりたいことに取り組んだりすることですね。
何もやる気が起きないときは、大好きなコナンくんのアニメを無心で観ます(笑) 。
ーQ.「人生を豊かにする」うえで、大切にしていることは何ですか?
ーA.会いたい人に会うことです。
例えば、一緒にご飯を食べたり、買い物したり、他愛のない話で盛り上が ったり。いろいろなことがありますが、そのすべてが「豊かさ」につながる気がします。その意味では「ゲストハウス 編湊」という「場」をつくったことにより、他県や市外の方とひたちなか市の地元の方がつながる場所、集える場所があることで会いたい人にあちらから来てもらう事もできています。会いたいと思うタイミングで会いたい人に会う、会えるってすごく豊かだなぁと思います。
ーQ.10年後の夢や目標があれば教えてください。
ーA.子どもと関わっていたいです。
それは仕事という面においてもそうなのですが、10 年後は自分の子どもを育てていられたらいいなぁと思います。 実は流産経験が二度あります。でもまだめげません。授かりものなので気長に待ちます。そして、今までの特別支援学校の教員としての経験を活かして、茨城県で教育や福祉のことを考え、ゆくゆくは仕事につなげていきたいです。
《 茨女レポーターVOICE 》
以前は障害をもった児童を支援する特別支援学校の教員だった渡邉さん。コミュニケーションをスムーズにとれない子どもたちと世間をつなぐ者として、何かできることはないかと模索していました。そんな中、結婚を機に茨城県へ移住。「ゲストハウス 編湊」をつくることにより人と人をつなげる場づくりや教育や福祉の分野でも茨城県に貢献していきたいと話す渡邉さんに茨城を共に見つめる仲間として心強さを感じました。
(茨女レポーター:杉山 ちひろ)