齋藤 真理子さん 31歳
Profile
大子町出身。太田一高卒業後、飲食チェーン店に就職し、全国を飛び回る。その後、転職をして学習塾の教室長を経験。その頃から町の行事に参加するようになり、2014年11月にNPO法人まちの研究室の立ち上げに携わり、事務局長に就任。
ーQ.お仕事内容について教えてください。
ーA.大小含めると20個くらいのイベントの事務業務、FMだいごの運営事務、daigo front運営事務をしています。
主に、人事労務的なことや書類作成、打ち合わせの段取りや会計等です。
ーQ.大子町へ戻ってきて、そのまま定住したのはなぜですか?
ーA.大子に戻ってきた時は、そんなに何も考えて帰ってきてなかったけれど、自分のふるさとの大子町に消滅して欲しくないし、町の人たちが頑張っている姿を見ているので、何か大子町が元気になれるようにしていけたらいいなと思いました。
そう思ったら、もう他のどこかで働きたいとか大子町を出て行こうとか思わなくなりました。
ーQ.大子町は大自然に囲まれていますが、その分、生活で不便を感じたことはありませんか?
ーA.不自由さを感じたことはありません。生活に必要な最低限はあるけれど、選択肢がないだけなんです。
例えば、コンビニに行きたければセブンイレブン、大型の家電量販店はケーズデンキ1択など…。物足りなさを感じてしまう時には、休日に水戸の方まで足を伸ばします。大子町を出た時には、やはり絶対にセブンイレブンに寄ろうとは思いませんね(笑)。わざわざ他のコンビニを探して入ります。
ーQ.現在のお仕事とその職業に就いたきっかけを教えてください。
ーA.前職の時に、木村勝利さんから「丘の上のマルシェ」のイベントスタッフに誘われてお手伝いを何年かしていました。
塾がフランチャイズ経営だった為、オーナー交代の際に退職することになり、ちょうどそのタイミングで木村さんからNPO法人立ち上げの話を聞いて参加することになりました。
NPO法人を新しく町のために組織を作ろうとしていて、立ち上げメンバーに携われることもとても魅力的でした。実際にはとても大変で、NPO法人を作ったことなどなかったので、「NPO法人とは?」みたいな本を買って勉強するところから始めました。
ーQ.お仕事の魅力や、やりがいはどんな時に感じますか?
ーA.町内外の方から「大子町が元気になってきた」、「面白くなってきた」と言われた時です。
ーQ.人生のターニングポイントとなった出来事は何ですか?
ーA.「丘の上のマルシェ」イベントスタッフに誘っていただいた事です。
それまで町の行事に興味がなく、イベントの存在自体も知らなかったけど、スタッフをやってみたら人との出会いが広がりました。
ーQ.「人生を豊かにする」うえで、あなたが日頃大切にしていることは何ですか?
ーA.楽しく仕事をする事です。
例えば、「まちの研究所」を立ち上げた年に、町の人たちにその存在を知ってもらいたくて名札をぶら下げてランチを食べ歩きしました。
大子町だけでこれまでに行ったお店は70軒以上に及びます!大子町だけで70軒以上もランチが食べられるお店があるんですよ〜!そんなことをしていると、自然と町の人たちと仲良くなることができて本当に楽しいんです。
私は、今の仕事が自分にとって天職だと思っています。単純で、今が楽しいとそう思ってしまうんです。
ーQ.職場の自慢できるところや良いところはどこですか?
ーA.大子町の木材をふんだんに使って作られているところです。
床は、全てワークショップで町民の方々と一緒に貼りました。オフィスの前の道を通りかかった人も、興味を持ってふらっと手伝ってくれたり(笑)。
インテリア作りは、清流高校の林業科の生徒さんに手伝ってもらいました。
ーQ.職場の自慢できるところや良いところはどこですか?
ーA.大子町で仕事をしていたいです。
雇用を生み出せる会社になっているといいなと思います。若い人は、みんな働く場所や職業の選択が無いと言って外へ仕事を求めて出てしまうので…。
まちの研究室が運営するdaigo frontは、元々クリエイティブ事業の一貫で作られた場所なので、アーティストやクリエイティブワークに使ってもらいたいと思っているのですが、いずれは大子町から起業家が出てこの場所を使って欲しいと願っています。
《 茨女レポーターVOICE 》
様々な職業を経験して、故郷大子町へ戻ってきた齋藤さん。「Uターン」という言葉が地方創生の流れを汲んで浸透している今日この頃。「故郷に戻る」と言っても、実際には仕事のことや生活のことを考えると腰が重く、行動に移すことができない人が多くいます。そんな中、齋藤さんはとても自然な動機で地元へ戻り自分の天職を見つけ、そこで町の未来を考えて自分の道を切り開いていました。屈託のないその笑顔は、大子町の未来を明るく照らしているような…そんな気がしました。(茨女レポーター:川井 真裕美)