岡谷 沙織さん 32歳
Profile
かすみがうら市(旧 千代田町)出身。沖縄県立沖縄水産高等学校総合学科マリンスポーツ系列、三重大学生物資源学部生物圏生命科学科卒業。大学卒業後は水産高校の常勤講師として勤務。結婚を機に退職し、現在は夫婦で珈琲専門店を経営。
ーQ.現在のお仕事とその職業に就いたきっかけを教えてください。
ーA.夫婦で珈琲専門店を経営しています。
もともと私は海が専門で、一緒にお店を経営している夫は工学を専門にしていました。結婚を機に退職し、夫の密かな夢だった珈琲屋を一緒に開業しました。
ーQ.お仕事の魅力や、やりがいはどんな時に感じますか?
ーA.珈琲を飲んだり豆を買ったりする時間は本当にささやかな時間です。
珈琲を通して色々な方の暮らしや仕事に繋がれる事を嬉しく思いますし、お礼の言葉やメッセージを頂いたりしてお役に立てた事がわかると本当に幸せな気持ちになります。
ーQ.海関係の高校・大学へ進学し、水産高校の常勤講師を経て現在のお仕事に就かれていますが、進学や進路選択の際にターニングポイントとなった出来事を教えて下さい。
ーA.自然豊かな場所でのびのび育つ中、地元の山や湖の環境問題を知り、自分にも何か出来ないか探していました。
そのうち「海」に魅了され、中学卒業後に単身で地元を飛び出し、「海」が学べる環境を渡り歩いていました。先の進路に悩む内、周りの先生や先輩はどうだったのか気になり色々相談するようになりました。そうして知ったのは、ただ楽しく面白いだけじゃない、たくさんの経験や考えを持っている姿。それに憧れて、教員を目指して大学に進学し、様々な経験を積むために講義や部活を選び、海以外のことにもチャレンジするようになりました。幸運にも水産高校の募集があり、大学卒業後、常勤講師として勤務をはじめました。
教員募集が数年後にあることがわかった頃、結婚の話が進み、後任の事や勤務地の関係から退職。妻として夫を支えながら、次のチャンスを待つ道を選びました。
そんな時、夫の仕事とプライベートでも転機が訪れ、以前夫が何気ない話の中で言っていた「珈琲屋」の夢を思い出しました。周りからみれば突拍子もない夢でしたが、応援することを決めました。2人ともまったく異業種だったにも関わらず、これまでの色々な経験や出会った人のつながりで無事に開業。きっかけは本当にどこにあるかわからないもの。諦めずにいれば道が開くこともあるんだと実感しました。
ーQ.仕事とプライベートの両立で苦しんだことや、日頃工夫していることは何かありますか?
ーA.結婚か仕事かの選択の時期はそれはもう悩みました。
決意した後もこれでよかったのか迷うこともありましたし、今も旧友たちの活躍を知ると少しもぞもぞします(笑)。けれど、私にとって一番大切な目標は「自分がそうしてもらったように、自分も誰かを応援したい」という気持ち。自分の軸さえぶれずにいれば、どこで何をしていてもきっと大丈夫!と思うようにしています。それでも壁にぶつかった時は、何事も経験と捉え、環境適応力を伸ばす気持ちで行動します。
たとえば今経営しているお店も、海を学びながら趣味で巡っていた古い建物やカフェや本屋さんでの経験が大いに役に立っていますし、急な変化への対応やチャンスを掴む時にもマリンスポーツの経験が大いに役立っています。老若男女問わずどんな状況にいても凛と生きている人や動植物の姿からも学ぶことは多いです。古い本を読むことも、先人の知恵を知るいい機会だと思います。
ーQ.10年後、どこで何をしていたいですか?仕事やプライベートの何か目標やイメージしていることがあれば教えてください。
ーA.海や本や、珈琲や、まったり時間を過ごすことが好きなのは変わらないと思います。珈琲屋も続けている予定。
少しずつ色々な波に乗って楽しめているといいなと思います。休みがとれたら久しぶりに恩師や友達に会いに沖縄に行くつもりです。猪突猛進だった頃の自分に会いに。そこでまた何かきっかけに巡り合ったら、ぐんと変わっていくかもしれません。
とにかく、自分から見ても周りから見ても「らしい」と言ってもらえる自分であり続けたいと思います。
《 茨女レポーターVOICE 》
沖縄の高校へ進学した岡谷さん。単身で沖縄に行くことに不安を抱いたり、周りからの反対が無かったのか伺ったところ、「家族が背中を押して応援してくれたので沖縄行きが決断できた」とのこと。高校時代には教育実習生のアドバイスがきっかけで、海関連の資格取得に励んだり、大学進学を目指したそう。
「私は人に恵まれている」と話していましたが、それは運だけではなく、岡谷さんの情熱や行動力、決断力が素敵な人との出会いに繋がっているのだと感じました。(茨女レポーター:田谷 律子)