鈴木夏海さん 20歳
Profile
茨城県日立市出身。茨城県立日立第二高校を卒業後、茨城大学教育学部に進学。学業の傍ら、日立市を拠点に活動する「久慈浜ソーラン舞踊衆 羅森万」を中心にソーランを踊る。踊る楽しさを伝えたいとの思いから、大学入学後はよさこいサークルを創設するなど、地元のチームのみならず活動の幅を広げる。現在、県内外の様々なイベントにて毎週のように演舞を披露している。
ーQ.現在行なっている活動について教えて下さい。
ーA.大学生活の傍ら、地元日立市の伝統芸能を継承する「久慈浜ソーラン舞踊衆 羅森万」を通して、県内外のイベントでソーランを踊っています。
ソーランだけではなく、よさこいの団体でも踊ったり、大学でよさこいのサークルを立ち上げたり。地元の人から外国人留学生まで、多くの人によさこい・ソーランの魅力を伝える活動をしています。踊っている頻度は、ほぼ毎日!
ーQ.なぜよさこいソーランの活動をしているのですか?
ーA.自分が味わったよさこいの楽しさを伝えたいと思ったのが一番の理由かな。
あとは、私を育ててくれた地元日立への恩返しという思いもあります。「羅森万」の踊りを見てお客さんが笑顔になってくれるのって、学生の私にもできる恩返しだなって思って。地元に根ざしたチームならではの良さですね。
それに対して、純粋な学生だけのチームを創ってみたくて、大学入学と同時に創設したのが茨城大学のよさこいサークル「海砂輝」です。学生だけだと結構ハードな動きにも挑戦できるのと、県内外から集った学生に踊りの良さを広めたくて。メンバーは意外にも、外国人留学生が多いんです。はっぴやハチマキにすごく興味を示してくれて、日本での思い出作りのために参加してくれる人もいるくらい。そういう人たちが楽しんでくれる姿を見ると、やってて良かったなって思います。
ーQ.活動やプライベートのことで、ターニングポイントとなった出来事があれば教えてください。
ーA.今の生活の基盤も、地元が好きになったのも、日立を元気にしたくて地域おこしに役立つ立つことを学びにきたのも、全部「羅森万」がきっかけかな。
高校生活は「羅森万」が無かったら何してたんだろうってくらい。練習→学校→練習→学校のサイクルで私を育ててくれたのが「羅森万」だから、チームを作った地元の人たちや地元に恩返しをしたいと思うようになりました。
ーQ.茨城オリジナルの良さはどこだと思いますか?
ーA.海。海沿いのまち、日立市で、海と共に生きてきたからそう思うのかもしれないけど、茨城の海って独自の雰囲気があると思うんです。
沖縄の海ははしゃげるイメージだけど、日立の海は落ち着く感じ。嫌なことを波がさらってくれる感じがして、悩みができたらよく海に行っていました。観光地とか名前のある場所も素敵だけれど、私はもっと多くの人に茨城の海の魅力を感じ取ってほしいです。
ーQ.今から行くとしたら、茨城県内のどこへ遊びに行きたいですか?
ーA.日立でゆっくりできたらなぁと思います。
大学が水戸なので、大学生になってから、日立に滞在している時間がどんどん減っていっているんですよ。日立を元気にしたい気持ちはどんどん上がっていっているのに。ああ、帰りたい~。日立以外で遊びにいくとしたら龍神大吊橋のバンジージャンプをやってみたいな!今年二十歳になったんですけど、二十歳の歳に行くとサービスがつくらしくて、これはいいタイミングだ!と思って。日立を愛しすぎて他の茨城のことを全然知らないので、茨城の色んな所に遊びに行ってみたいな。
ーQ.女性として、お仕事とプライベートの両立で苦しんだことや日頃工夫していることはありますか?
ーA.女性らしくなりたい。
漁師が豊作を願うために始められたソーランは踊るのも男性の方が多いので、踊りを踊っているとどこか男勝りになってしまうんです。髪を伸ばしたり、スカートをはいてみたり、メイクの勉強をしたり。基本的なことだけど、「大学生」でいる時くらいは、女らしくなりたいです。
ーQ.10年後どこで何をしていたいですか?仕事やプライベートの何か目標やイメージしていることがあれば教えてください。
ーA.日立の子どもたちに、地元のことを好きって思ってくれるような機会を与えられる仕事をしていたいです。
あんまり好きじゃない、何もないよねって言うけど、いかに地元を好きになるか、地元に貢献できる仕事に就きたいと思うかって、子ども時代の経験が鍵になっていると思うんです。まちを元気にするのはまず若者から。自分ができる精一杯で、地元に恩返しができる大人になりたいな。
《 茨女レポーターVOICE 》
よさこいソーランを通しての地域活性活動だけではなく、「日立を元気にする方法を学びたくて茨城大学の社会文化コースに来た」と語る鈴木さん。行動や言動に垣間見える芯の強さが印象的でした。大学で学べる座学だけではなく、自分にできる形で地域おこしを試みる活動のひとつ一つが、鈴木さんなりの「学業」なのだと感じました。
(茨女レポーター:檜山 加奈)