藤岡みのりさん 24歳
Profile
三重県鈴鹿市出身。 三重県立津西高等学校卒業後、茨城大学農学部地域環境科学科に進学。在学中は、医療や教育の観点から農と人の関わりについて研究や活動をしていた。大学4年生の夏から半年間、里山ホテルでインターシップ生として働き、現在、里山ホテルときわ路へ勤務して3年目。
ーQ.お仕事について教えてください。
ーA.里山ホテルは茨城県北部の常陸太田市にあります。「里山体験を通じて家族の絆が深まるホテル」をテーマにかかげ、業務としては、ホテルのフロント、レストランのホール、SNSやHP等での広報、宿泊プランの開発など幅広く担当しています。
このホテルには社員一人ひとりに係があって、私の持つ「とどける」係は、みつばちが花粉を届けるように、いろんな人や思いを繋ぎ、笑顔になる時間を届けたいという意味があります。
ーQ.このお仕事に就かれた経緯と動機について教えてください。
ーA.幼少期に自然体験や農業体験に参加したことがきっかけで、自然や農業に興味を持つようになりました。
「自然や農業や食に関われるお仕事、そして共感できる企業理念を事業として実行している企業」と定めて就職活動を進めたんです。
たまたまインターネットで見つけた里山ホテルの『里山にある自然の恵みを編集して、常陸太田から世界へ里山の魅力を伝える』という言葉に惹かれ会社にコンタクトを取り、大学4年の夏から半年ほどインターンシップ生として携わりました。インターンシップを終えてからも、この人たちともっと一緒に働きたいと思い、4月以降も働かせてくださいとお願いして、今に至ります。
ーQ.やりがいを感じる時はどんな時ですか?
ーA.お客様が笑顔でチェックアウトされる時などお客様の笑顔を見れた時は嬉しいですね。
「ありがとうございます。またお越しください」の言葉で終わるのではなく、1日のはじまりを、「いってらっしゃいませ!」とホテルのエントランスから送り出せるのも、宿泊業の醍醐味かと思います。
ーQ.職場の自慢できるところを教えてください。
ーA.まずは、自然あふれる里山で四季折々の美しさを感じられる環境。そして、スタッフのチームワーク。社員、パートさん合わせて30名ほどいますが、みんなそれぞれ個性豊かです。Facet5という適性診断を導入して、向いている業務などの把握をしています。
お互いのフォローや気配りがし合えるスタッフと仕事をしているので、忙しい中にも、何倍も相乗効果が生まれて気持ちいいです。
会社のビジョン・ミッション・バリューなど理念の策定や実行に社員も参画できて、会社が自分ごとに考えられて面白いです。
ーQ.茨城に住む事にしたキッカケと決め手は何でしたか?
ーA.本当に偶然です。大学が「たまたま」そこにあったからです。
ただ、就職時に出身地に帰らず今もこの地にいる選択をしたのは、心惹かれる人々と出会い、大好きな自然があるから。みんなとゆるく繋がる連帯感があり、環境だけではなく、人の関係性も居心地がいいのだと思います。
ーQ.茨城県民特有の地域性や市民性は感じますか?
ーA.例えるなら、「胃にやさしめな具だくさんのコンソメスープ」(笑)。
いろんな性格の人や、いろんな事業をやっている人たち(=具材)がいつも、みんな協調し合うような、そんな地域性、市民性なんじゃないかと思います。
ーQ.ターニングポイントになった出来事や転機はありますか?
ーA今年の4月に築45年の空き家に引っ越しました!
日立市の中山間部「中里」という地域で、2階建てのお家に一人で暮らしています。もともと田舎暮らしをしたいという思いはずっと持っていて、友達に紹介してもらって。周りは自分のおじいちゃんおばあちゃん世代がほとんどです。ご近所さんからお野菜をいただいたり、地区の草刈りなどの行事に参加したり、顔を合わす度に、可愛いがっていただいてます。季節ごとに旬の果物やお野菜を味わえるのも、ここの魅力の1つ。
あとは、自分の家でクラスの同窓会ができるほど大きな家なので、人の集うあったかい場所にしたいなぁと思います。「みんなの行きつけの田舎」になりたいと思っているので、たくさんの人に里帰りする気分で遊びに来てほしいです(笑)。
ーQ.「人生を豊かにする」うえで、あなたが日頃、大切にしていることは何ですか?
ーA.私にとって「豊か」とは、「どれだけ心揺さぶられるものがあるか」ということ。小さなことにも大きな喜びを感じる、自分の感性を大事にしていたいなと思います。
「会いたい!」と思った人には、会いに行く、人との出会いは、自分の未来を変えるほど、一番「心揺さぶるもの」だと思います。
ーQ.10年後どこで何をしていたいですか?
ーA.自分の好きなことを、好きな場所で、好きな人たちとしていたいです。
結婚して子どもがいたらいいなぁ。子どもたちに、面白く、楽しそうに生きる大人とたくさん出会う機会を与えたいと思っていて、お仕事でも家庭でもみんなで一緒にわいわい過ごすのが夢です。
私は、SNSで好きな人の ブログを読んだり自分の考えを書いたりするので「書くこと」「伝えること」もレベルを上げていたいです。
《 茨女レポーターVOICE 》
里山ホテルの人や環境に魅力を感じ、茨城の自然や地域の人が大好きになり、茨城で働き続けている藤岡さんは、出身が違っても茨城に根を張り、ここを故郷と呼んでくれる。人は人の志で繋がる、住む地域や世代を越える事ができるのだと改めて気づかされました。今後、また茨城を『故郷』と想ってくれる人に出逢うためにも、1人ひとりが志を持つ事が大切だと思いました。(茨女レポーター:杉山 ちひろ)