荻津 優さん 31歳
Profile
福島県いわき市出身。 私立水城高等学校卒業後、常磐大学心理学科に入学、中退。 父の会社に入社するも1年で退社。全国を旅して周り、2年のニートを経験。その後、自分が貢献できる仕事をしたい!と小型無人機とカフェを融合させたユニークな「ドローン&.cafe」を2016年夏、水戸市内にオープンさせる。市町村や企業からの依頼でドローンの空撮も手掛ける。カフェの店員はすべて女性で「女性の働き方」も考えてモデルケースになるような運営をしている。
ーQ.お仕事について教えてください。
ーA.株式会社 優和 取締役社長として、水戸市の元吉田町で「ドローン&.cafe」を経営しています。
ドローンに関しては、空撮、機体の販売、許可の申請代行、また赤外線カメラを搭載したドローンを使って鳥獣生態調査などもしています。
カフェでは、茨城県の食材を使った本格的なお料理で地産地消の推進をしております。誰でも気軽に利用できるように、キッズスペースも広く作り、子育て世代のママさんにもご好評をいただいています。
ーQ.このお仕事に就かれた経緯と動機について教えてください。
ーA.旅行先の秋田県で空撮しているドローンに出合ったことがきっかけです。
もともとカメラが好きだった事もあり、興味を持ちました。
実際に操縦してみると、「性別も年齢も関係なく楽しめる」と魅力に気付き、飛ばすだけでなく、社会で貢献できることに活用できないかと仲間を集めるとともに、交流の場を作ろうと「ドローン&.cafe」をオープンさせました。
ーQ.やりがいはどのような時に感じますか?
ーA.カフェをオープンさせた頃は認知度が低いので、お客さまが来なくて悩んでいましたが「待っているだけでは人は来ない!」と看板を大きくしたり、ネットの発信を強化したり、様々な業種の方々にお会いしたりと、自分から外に発信していくようになりました。
マニュアル通りの与えられた仕事ではなく、自分で考えた仕事ができる事にやりがいを感じます。
そうした中でお客さまに喜ばれたり、依頼された仕事で結果が出ると、更に嬉しいです。
ーQ.ターニングポイントになった出来事や転機はありますか?
ーA.父の会社を辞めたこと。
ニートになり日本中を旅していた2年間。
仕事の考え方や将来の方向性の違いから離婚したこと。
今振り返ると様々な出来事の点と点が線になって、今の自分を支えています。失敗した人生に後悔したこともありましたが、それがあったからこそ、今は自分らしく仕事ができること、居場所があることに感謝し、一生懸命頑張る毎日です。
ーQ.お仕事とプライベートの両立で苦しんだことや日頃工夫していることは何かありますか?
ーA.女性ホルモンが原因の偏頭痛とめまいで入院した事があります。
日頃工夫している事は無理をしない事です。
女性は完璧にしようと無理をする人も少なくありません。 自分が元気でいないと、周りにも迷惑をかけてしまい、良い仕事にも繋がらないと思うので、ちゃんと食べて寝て、私の大好きな言葉「元氣が1番」で頑張ってます。
時間管理も気をつけていて、「TODOリスト」を作成し、やる事に優先順位を決めて、余裕ある行動をするように心がけています。
ーQ.他社へ自慢できるところを教えて下さい。
ーA.スタッフのチームワークが良いところです。
全員女性で年齢もバラバラですが、子育てしている方も働きやすいように、シフトもバランスを考えて立てています。立場に関係なく、 みんなが意見やアイディアをどんどん言ってくれて、得意な人、できる人が苦手な人をサポートしたり、とにかくチームワークがとても良いです。みんな笑顔で仕事をしていて、体調を気遣ったり、感謝の言葉をお互いかけたり、仲が良いので、職場の雰囲気は抜群ですね。
ーQ.どんな時に幸せを感じますか?
ーA.自分の仕事が誰かの笑顔や社会の役に立った時です。
例えば、イノシシによる農作物の被害があった地区をドローンで調査した時に、被害者の方に「これで安心できる、ありがとう」と言われたことがありました。
その他にも仕事や色々な人との出会いを通して、自分を成長させてもらえた時に、幸せと感謝の気持ちを感じます。。
ーQ.10年後の夢や目標があれば教えてください。
ーA.仕事では、例えばドローンを使って農業の効率化を図ったり、橋の点検をドローンで行い、人が危険な目にあわないようにするなど、人助けや少子高齢化社会による、労働人口の減少を補うような活用を考えています。
また女性の働き方についても、仕事と家庭を両立できるような女性が働きやすい環境モデルをつくり、そういう場所を増やしていきたいです。
プライベートでは、気の合う方とパートナーになって、家庭を築けたらいいなと思います。 そして、大好きな茨城で、10年後と言わず、早く立派になって、応援してくれたり、支えてくれている人に恩返しが出来るようになっていたいです。
《 茨女レポーターVOICE 》
ドローンとcafeを融合した面白いコンセプトが茨城県でも注目されています。初めはゼロからのスタートで不安もあったけれど、協力者やスタッフとの出会いもあり、次第にそれが自信に繋がっていったそうです。ドローンという最先端技術を用いて社会課題を解決し、cafeという場所で働く女性や子育て中の女性の安らぎの場をつくるなど、様々な角度から自分ができることで貢献したいという荻津さんをこれからも応援したいと思いました。(茨女レポーター:杉山 ちひろ)