三浦 綾佳さん 28歳
Profile
広島県広島市出身。 広島県立五日市高等学校卒業後、比治山大学短期大学部総合生活デザイン学科栄養士養成コースに進学。新卒でアパレル会社へ就職。イベント会社へ転職をし、21歳の時に都内へ上京。その後、夫と共に広告代理店「株式会社ドロップ」を立ち上げる。25歳の時に茨城県へ拠点を移し、最先端テクノロジーであるアイメック®農法を用いて、環境にも人にも優しく、高栄養・高糖度のフルーツトマトを生産する「ドロップファーム」の代表に従事。女性ならではの視点で農場を運営する。
ーQ.お仕事について教えてください。
ーA.私が代表取締役を務める株式会社ドロップは、茨城県水戸市成沢町にある、従業員の8名が全員女性の新しい会社です。
「ドロップファーム」は、最先端テクノロジーを用いて、環境にも人にも優しい、高栄養・高糖度のフルーツトマトを生産しています。当社では、トマトの栽培からブランディングや販売までを女性ならではの視点で行っています。
ーQ.このお仕事に就かれた経緯と動機について教えてください。
ーA.これまで色々な仕事を経験してきました。企画やディレクターみたいなこともやってましたし、太陽光、浄水器の販売、住宅展示場の受付など、業界も業種も多岐に渡りました。
そして、夫と出会い、平成25年11月に夫と共に広告代理店「株式会社ドロップ」を立ち上げ、新たな事業として平成27年年8月から「ドロップファーム」という農場を営んでいます。
ーQ.なぜ農業だったのですか?
ーA.一番のきっかけは妊娠、出産です。
代理店の仕事を諦めずに子育てができるかというと、ちょっと不安な部分がありました。じゃあ仕事も子育ても諦めない働き方ができる分野はなんだろうなって模索する中で、たどり着いたのが農業だったんです。
農業って、まだ働き方が確立されてないんです。となると、逆に新しく整備できるんじゃないかなって考えました。単調な作業が多いので、8時間勤務できる方を探すよりは、3時間集中して働ける方を探した方がいいかな、とか。そうすると子育て中のママたちの働きたいニーズとマッチする部分があるんじゃないかなって漠然と思っていました。
ーQ.やりがいを感じる時はどんな時ですか?
ーA.スタッフが笑顔で働いている様子を見た時や、私たちの作ったトマトを手にとって、お客様が喜んでくれている様子を見た時です。
ドロップファームのお客様、皆さんがとても温かい方ばかりだと言うことです。
完全予約制ですが、農場で商品の直販もしているので、そこへ買いに来てくださるお客様がリンゴをくれたり手紙をくれたりと、農場をオープンして以来ずっと買いに来てくれるところです。
ーQ.茨城に住む事にしたキッカケと決め手は何でしたか?
ーA.農業に参入するにあたって、一番ベストな農地があったのが茨城県でした。
茨城を訪れ、直売所の野菜を初めて買って食べた時の、その美味しさと言ったら今でも忘れられません。
また、夫の親戚が水戸に農地を持っていて、結果的に親戚の土地を今は借りている状態です。
ーQ.茨城県民特有の地域性や市民性は感じますか?
ーA.自分のことをあまり積極的には話さない人が多いように感じます。
相手を思いやったり、気を遣っているのかもしれませんね。
ーQ.ターニングポイントになった出来事や転機はありますか?
ーA.まだ子どもが幼く自宅で子育てをしている時に、テレビで最先端テクノロジーである「アイメック®農法」を特集している番組を見たことです。
これなら未経験でも農業に参入できる!と確信しました。その後、早速子どもを連れて「アイメック®農法」の説明会を聞きに行きました。今思えば、それが産後、初めての子連れでの外出でした(笑)。
ーQ.失敗をしてしまったり、どうしても落ち込んでしてしまう時の解消法は何かありますか?
ーA.店頭に出て、お客様と直に触れ合うようにしています。
そして、自分の立場に甘えてはいけないなと自分を奮い立たせます。また、私は「鈍感力」が必要だと思っていて、落ち込んでしまいそうな時には、あまり深く考えすぎないようにしています。
ーQ.「人生を豊かにする」うえで、大切にしていることは何ですか?
ーA.プライベートの充実です。
家族と過ごす時間や上質なモノに触れることを大切にしています。
上質なモノと言うのは、良いホテルで美味しいランチをしたり、美術館で芸術に触れたり、行ってみたかった場所へ行って、質の良い時間を楽しむことです。
私たちの販売しているトマトの商品は高級デパート等で扱われており、ハイレベルなお客様を相手にしています。そのお客様たちが何を求めているのか、そんなことも上質な時間を過ごすことで日頃から研究をするようにしています。
ーQ.10年後の夢や目標があれば教えてください。
ーA.「ドロップファーム」は、今年の夏に規模を2倍に拡大します。
スタッフ一人ひとりの特技を活かして、フルーツトマトに特化したカフェや、農業体験が身近にある託児所なども作りたいと考えています。ゆくゆくは一つの街をつくることが夢です。
やりたいことはいっぱいあります!チャンスが訪れる中で、今やるべきことを見極めて進んで行きたいと思っています。
《 茨女レポーターVOICE 》
農場を作る際に、まず農地の開拓から始まったと言う三浦さん。まず、トマトハウスを作る為に、それまで経験したことのない水や電気を引く申請や工事から始まった苦労や、トマトが実際計画通りにちゃんと育つのか心配だったエピソードなども伺うことができました。そんな苦労も感じさせない、三浦さんのその素直で明るく前向きな様子が周囲のスタッフやトマトにも伝わって、美味しいトマトを生み出す美しい農場ができているのだと感銘を受けました。(茨女レポーター:川井真裕美)